○「インターネット顧客活用法」

F's セールスエッセイ2000年2月号
 
(有)長原マーケティング研究所 代表 長原紀子
 
いよいよ2000年。デジタル化の波が私たちの生活に押し寄せています。年末年始を騒がせたコンピュータ2000年問題は、日常生活の奥深くまでコンピュータが入り込んでいることを示した出来事でした。若い人は携帯電話を使った電子メールのやりとりで連絡の多くを済ませています。これからは販売においても、アフターサービス、ビフォアサービスに電子メールを上手に活用していく時代になろうとしています。
 
 
■ 販売のツールとして有効な電子メール

インターネットで居ながらにしてものを買えれば、店舗や販売員はいらなくなるかのような情報がマスコミでは飛び交っています。しかし、賢い消費者は、インターネットで買うものと、店に行って買うものをわけています。店頭販売において、まず使いこなさなければならないのは電子メールだと思います。

電子メールを使うと、大勢のお客様に同時に、「今度、お得意様限定のセールを企画しました。ぜひお越しください」とか「春物商品のカタログができました。入用の方は返信ください」などなど、いろいろなアプローチが手軽にできるようになります。もちろん、お客様の方もまだまだアドレスを持ってない方が多いと思います。持っていても、使うことが習慣化されていないので、メールをチェックしないお客様も多いことと思います。しかし、一部のお客様はすでに日常の通信手段として、電話以上に電子メールを使っています。こうしたお客様には、電話やFAX、ハガキなどに加えて、メールでのアプローチを試みてみましょう。そのためには、お客様の名簿をとる時にも、メールアドレスの項を付け加えておくことが必要です。 


■電子メールをまず、プライベートで使ってみましょう


メールは自分自身で使いこなして見ると、その利点がわかり上手に使えるようになります。インターネットプロバイダーと契約してメールアドレスを持つのは、それほど難しいことではありません。パソコンを買うと、すぐに契約できるものもあります。プロバイダー契約込みで、月数千円でパソコンを貸し出すレンタルパソコンも出てきました。顧客に無料パソコンを貸し出す通販会社もあります。

携帯電話にメール送受信機能がついたものもあります。あなたが、その気になれば、簡単にメールアドレスを取得することができるでしょう。複数のアドレスを無料で持てるプロバイダーもあります。家族の誰かが利用していれば、そこに、自分用のアドレスを持つという手もあります。

まず、自分自身のアドレスを持って、ひとりの生活者として、メールを使ってみましょう。そのことが、後々お客様にメールでお知らせしたり、アフターサービスをする時のための大切な準備になります。

営業ツールとしてはだいぶ一般的になった電子メールも、販売現場ではまだまだ使われていません。しかし、そろそろ、目的に応じて電話の替わりに電子メールが使われるようになるはずです。例えば、お買物のお礼に出す、サンキューレターも相手によってはサンキューメールが喜ばれる場合もあります。いまから電子メールを使い慣らしておくことは決して無駄にはなりません。プロバイダー料金も最初の100時間は無料など、お試し期間を設けている場合が多いので、工夫して使えばそれほど経費もかかりません。身近にいるメールユーザーに相談すれば、いろいろ教えてくれることでしょう。


■電子メールのメリットを生かした使い方をしましょう


 若い人に「電話で直接話さずメールをやりとりするのはどうして?」と聞くと、「メールだと、ひまな時間に書いたり、見たりできるから」と言います。今の忙しい現代人には、自分の時間を一方的に切断する電話より、メールの方がある面で親切だと言えます。また、電話だと声のやりとりしかできませんが、メールでは、絵や写真・地図などの画像と、メッセージを一緒に送れます。孫からの絵入りのメールを楽しみにしているおじいちゃんもいます。専門店では、得意客に新商品の紹介を兼ねたメール送付を始めているところもあります。

メールをお客様とのコミュニケーションツールとして見ると、電話より手紙に近い道具と言えます。手紙ほどの丁寧な印象はありませんが、手紙より早く届きます。沢山のメールでも、まとめて一回で送信すれば、かなり安いコストで、お客様にメッセージを届けることができます。DMなどと違って紙を使いません。不要なメールは捨てても形が残りませんから、環境にも優しいと言えます。店で集めた顧客のアドレス以外にも、ホームページから懸賞やモニターを呼びかけ、応募してきた人のアドレスをデータベースとして活用すれば、新規顧客の開拓にも電子メールは役立ちます。


■メールは短く、簡潔に書く


文章だけでは、説明できないことも、メールでは添付資料などで届けることができます。また、別にホームページを開設して、内容を更新した時にメールで簡単にお知らせする方法も有効です。この場合、長いメールをだらだら書かず、ホームページのアドレスを入れておき、興味を持った人はクリックして飛べるようにつくるのが有効です。受け取る立場になるとわかりますが、長いメールはほとんど読まれません。メールは簡潔で短いものに限ります。よほど面白いものは別として、中々一つのホームページを継続的に見る人は少ないと思います。お客様に継続的な関係を保つには、メールでニュースレターなどを定期的に送ることが有効です。その中にクーポンなど顧客のメリットになる情報を入れておくと、より多く見てもらえる確率が高まります。


■マメにレスポンスしましょう


 長い歴史を持つ、手紙や電話には、それなりに確立されたマナーがあります。しかし、メールにはまだそれが確立していません。そのため、メールを出してもなしのつぶてで、結局、電話で確認するというケースも、まだまだあります。社内のイントラネットや同じプロバイダーの中でのメールの送受信では、相手が開封すると送り手のほうでも確認できますが、異なるプロバイダー間では、確認手段がありません。見て、特に問題ないと思った場合にも、「了解しました」など一言送ると親切です。また、メールアドレスを人に教えた場合は、自分でも少なくとも一日一回はメールチェックしましょう。メールに、3日も4日も返信しないのは考えものです。じっくり考えたい場合や直ぐ応えたくない場合には、「メール拝見しました。返事はOOころします。少しお待ちください」などととりあえず第一報を入れると親切です。メールは何通一緒に送っても電話やDMほど大きなコストはかかりません。そのぶん、まめにやりとりすることで相手との良い関係を保つことができます。もちろん、ソフトを使って、お客の問い合わせに対して自動応答することも可能です。しかし、お客様の問い合わせは千差万別なので、担当者が一人一人のお客様の質問に丁寧に答えることがメールでも大切です。


■メールと、他のコミュニケーションツールの併用は、さらに効果的
 
ある人は、メール広告を受け取って、同じところから来ていた封入りDMを机の上に放っておいたことを思い出しました。メールと封書の両方からのアプローチが印象に残り、棚上げしていた封入りDMをじっくり読み、結局店に出かけて買物をしたそうです。これからは、このようなメールと電話、メールとDMなどの組み合わせによるお客の印象に残る訴求も必要になるでしょう。


■署名に工夫を

 メールを使いだしたら署名にも気を配りましょう。メールはメールの世界だけで簡潔しません。メールを貰った場合に、電話を掛けて確認してみたい人もいれば、郵便を出したい人もいるはずです。ところが、よくありがちなことですが、署名にはメールアドレスしか書かれていないことがあります。これでは受け取った人は不便です。できれば、名前、アドレス、住所、電話、ファックス、(あれば)ホームページアドレスを署名にくわえましょう。そして、もし、お客さまにお出しするものなら、短いあなたの店のキャッチフレーズを書き添えます。「素敵なあなたを演出するOO」「一分で変身、OO」「旬の商品いっぱい、OO」などなど、短いメッセージがあなたから顧客に届くたびにあなたの店のことが思い出されるようなメッセージをつけましょう。何度も繰り返し見るうちに、必ず顧客の印象に残ること受け合いです。

 
◇ F's は、レナウン・FAコミュニケーションセンターの広報誌です。
 セールスエッセイをまとめた本「ハートフルセールス」が発売されました。
 
 
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