社団法人日本マーケティング協会発行
 
マーケティングホライズン 2001年5月号
 

新ワークスタイルが変えるメンズマーケット

 

(有)長原マーケティング研究所 代表 長原紀子


■昨年来メンズウエアでは、パーカーやカバーオールなどのカジュアル商品がヒットしている。スーツ不振・カジュアル堅調の背景には、男性のワーキングスタイルの変化がある。IT関連企業などでは、ノーネクタイのワーキングスタイルは珍しくなくなった。

今、メンズウエアには、スーツでもウイークエンドカジュアルでもなく、ビジネスの場でも通用する、機能的なカジュアルスタイルが求められている。

また、高齢化で企業社会からリタイアないしはセミリタイアした男性の市場規模も大きくなっている。この市場は、「趣味と消費が生活の座になる」(JMJ日本マーケターネットワーク会議「魅力的な中高年男性ファッションのためのアンケート分析報告書」)といわれ、働き盛りの世代とは別の意味で、機能的で洒落たカジュアルスタイルを必要としている。しかし、現状の百貨店・量販店・専門店の商品には、スタイル・色・価格・サイズなどについて不満も多い。

メンズウエアの新潮流に合わせて、百貨店やアパレルから新しい提案が次々に出され始めた。

■百貨店の「松屋銀座」では、昨年9月、その名も「SOHO'S ROOM」(ソーホーズルーム)という、外資系企業や広告代理店などで働く30代の男性を意識したコーナーをオープンした。ノーネクタイで着るお洒落な服、靴、文具、アクセサリーなどを揃えた新しい編集売場である。独自の編集と自主販売で、百貨店の新しい挑戦として話題を呼んでいる。
メンズアパレル各社も動き出した。ダーバンはノーネクタイで着られる「アンタイド」を昨年秋から全国の百貨店で展開し始めた。オンワード樫山は2001年春から「ICBメン」などの既存ブランドにノーネクタイ用のソフトなスーツやジャケットを投入する。

ユナイテッドアローズ、シップス、アオキなど有力専門店も新しい市場をザ・サード・ワードローブと捉え次々に提案を行っている。

 ザ・サード・ワードローブが、かつてのフライデーカジュアルと大きく異なるのは、フライデーカジュアルが業界主導型だったのに対して、マーケット主導型である点にある。服だけでなく、レザースニーカーやお洒落なパソコンバッグなど、トータルなカジュアルスタイリングに向けて市場が広がっている。

今のところ、30代のお洒落世代をターゲットにした商品が中心であるが、今後は高齢者向けのザ・サード・ワードローブの展開も多いに期待される。

 
 
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