社団法人日本マーケティング協会発行
マーケティングホライズン 2002年4月号
 

好調!セレクトショップ

 
(有)長原マーケティング研究所 代表 長原紀子

■低価格でベーシックな服を売る店に陰りが見えるなか、変わって台頭しているのが独自の視点で国内外から複数の衣料ブランドを仕入れて販売するセレクトショップである。セレクトショップ大手としては、ビームス、シップス、ユナイテッドアローズ、トゥモローランド、ベイクルーズなどがある。

なかでもユナイテッドアローズは東証2部に今年3月上場し、3月決算でも過去最高の業績となる見通しだ。ベイクルーズが運営するジャーナルスタンダードやエディフィスもファッションにこだわりを求める若者に人気が高い。
セレクトショップの要素を取り入れたコーナーを設ける百貨店も増えている。新宿伊勢丹のリ・スタイル、西武百貨店のパラグラフ、銀座松屋のリタズダイアリーなどでは、バイヤーが独自に買い付けた商品を編集して販売し、他店との差別化を図っている。

アパレルメーカーもセレクト型の直営店を出し始めている。
今年に入ってからもサンエーインターナショナルが渋谷に「ピンキー・ストア」、レナウンルックが代官山にメンズ中心のセレクトショップ「ターミナル」を3月にオープンしている。


■セレクトショップ好調の背景には、皆と同じような服に飽き足りない消費者がいる。第二の人口ボリュームである団塊ジュニアが20代後半から30代に移行し、変わって登場したポスト団塊ジュニア達は、感性が高く、より味のある服を求めている。ペンキを散らしたり、乾燥をかけたりして店頭で一枚一枚違った顔の服を作って売る店や、古着ショップの人気もこうした若者達の自分だけの一品を求める傾向の表れと見ることができる。セレクトショップには量販型の店のように同じ服がズラーと並ぶことはない。一点ものが多く、他の人とは違う服を選ぶことができる。有力セレクトショップは欧米各地にバイヤーを派遣して、ショップ独自の感性で商品を集めているので、お洒落な若者が満足できる服が得られることも魅力になっている。

ベーシックファッションが溢れすぎると、個性豊かなトレンドファッションへのゆり戻しがファッションには必ず出てくる。こうしたファッションの流れの変化もセレクトショップが注目を集めている一因である。
低価格競争一辺倒から感性競争への変化のなかで、どこが消費者のハートを捉えることができるか、これからの動きが注目される。

 
 
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