社団法人日本マーケティング協会発行
 
マーケティングホライズン 2001年7月号
 

半手抜きを支援する新ミールソリューション

 
(有)長原マーケティング研究所 代表 長原紀子

■今年1月にオープンした伊勢丹立川店では地下食品売場にある「きょうのおこんだてトゥデイズレシピ」コーナーが話題を呼んでいる。毎日の食事を作る時、主婦が一番頭を悩ますのは献立。買物客の大半は売場に来てから献立を決めるという点に着目し、フーズマーケットの入口に毎日の献立を提案するコーナーを作った。作り方の実演を1日に7〜8回行いレシピも配布する他、人数分にパックした食材セットも販売している。同店地下にはおいしい出来たて惣菜も揃っているが、食事をすべて惣菜で済ませるのは抵抗があるという人も多い。「せめて主菜ぐらいは手作りで」という買物客に好評だ。「トゥデイズレシピ」は食事づくりをサポートする情報提供型のミールソリューションサービスといえる。

セブンイレブンジャパンが昨年から始めたセブンミールサービスは今年に入ってサービスエリアを拡大している。セブンイレブン店舗もしくは宅配により食事を提供する会員制サービスだ。会員はカタログを見てセブンイレブン店頭かサービスセンターへの電話・FAXで注文する。カタログには「すぐ食べられるごはん・惣菜」と「調理が簡単新鮮食材」が掲載されている。「調理が簡単新鮮食材」はレシピつきで簡単に調理できる食材セットで、"完全手抜き"には抵抗がある"半手抜き派"に好評だ。


■ミールソリューションという言葉から、真っ先に浮かぶのは惣菜・弁当など買ってそのまま食べる食品である。しかし、それだけで万人の食事問題が解決するわけではない。調理はなるべく短時間で済ませたいが、「一手間かけて我が家の味つけにしたい」「健康が気になるので塩分控えめの味つけをしたい」「少量必要な分だけ料理材料を購入したい」など、食事に対する要求は千差万別である。調理済み食品の定着とともに、手を加える余地を残した半調理食品も新しいミールソリューションカテゴリーとして注目されている。海外のスーパーマーケットでは「レディトゥイート」(調理済み食品)と並んで「レディトゥクック」(煮たり焼いたりするだけでいい半調理食材)にスペースをとっているところが多い。

昨年ヒットした、研がなくても炊ける「無洗米」、みそを溶いた汁の中に具を入れるだけで簡単に味噌汁ができる「みそ汁の具」、多彩なカットサラダやカット野菜など、半手抜きを助ける食品もバリエーションが広がっている。

折しも、あわただしい現代生活の中で食事くらいはゆったりと楽しもうと、伝統的な食材や料理を見直そうとするスローフード運動も広がりを見せている。ファーストフード全盛時代のアンチテーゼとして始まったものだ。消費者の手作りや味付けの余地を残した日本型ミールソリューションともいえる商品・サービスの提供には、ファーストフードとスローフードの中間にある毎日の食事を豊かにする役割が求められている。

 
 
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