連載 「明日のヒット」につながる気づきノート21

○原宿を「裏」から見ればヤングの意識を実感できる

(抄録)

商業界 
2001年8月号
 
(有)長原マーケティング研究所 代表 長原紀子
 
4月に、あるマーケティング会社主宰のタウンウオッチングセミナーで案内役を務めました。テーマは「原宿考現学」。参加者はメーカーの企画・マーケティング部門の人達です。原宿では、この3月にラフォーレ原宿がリニューアルされています。明治通りをはさんで向かい側には、ヨックモックが開発したYMビルの一階に外資系化粧品店セフォラが陣取っています。また、表参道には昨年暮れにベネトンメガストアができ、その向かい側にはルイ・ヴィトンのビルが建築中です。エゴイストの元プロデューサー渡辺加奈さんが手掛けた「ドレッシングルーム」も裏原宿にオープンしたばかりです。

明治通り、表参道を中心とする表通りは、大手アパレルの旗艦店や外資系小売業の進出ガ目立ちます。その一方で、裏原宿やキャットストリートなど裏通りには、ヤング向けの高感度な店がいろいろあります。表通りと裏通りが相乗して、めまぐるしく街の様相が変わっています。日々変化していることが街の魅力なのでしょう。表参道の交差点はいつも人であふれています。(写真)

ユニクロとGAP、セフォラとブーツなど話題の好敵手が目と鼻の先で競い合っているのも注目ポイントです。いま人気のカフェも、中国茶カフェから、セレクトショップ併設の洒落たカフェ、ヤフーのインターネットカフェまで様々なタイプがあります。
あらかじめ見所を地図で説明し、それから3〜4人一組に分かれて三々五々街を一巡りしました。

中略


■ タウンウオッチングで気づいたこと
今回の原宿ウッチングで、改めて興味を引いた点を上げてみましょう


@入ってみないとわからない店が人気
裏原宿では、人気の店は地下や、ちょっとはずれたところにあり、大人が漠然と歩いていても見つけにくい店もあります。ヤング女性向けのファッション店ベイピーのように表側からは商品を売っていることが全くわからないような隠れ家的な店もあります。最近あまりにも開放的でオープンな店が増えたことの反動かも知れません。また、感性を共有できない人を拒むためでもあるでしょう。しかし、一見素っ気ない店の中に入ると、ヤングがぎっしり入っていて、独特の熱気があるのには驚かされます。


Aフレキシブルな価格価値
原宿では、グッチなどのスーパーブランドの店、古着ショップ、ユニクロなど低価格の店が共存しています。それぞれの客層は決して別ではなく、一人のお客が、ある時は高級店、ある時は安い店を使い分けています。安くてオリジナリティのある古着とユニクロの無機質な服、セレクトショップの少し高くてもセンスの良い商品などを組み合わせ、バッグはスーパーブランドで決めている若者を、街のそこここに見かけます。街を歩いていると価格価値をフレキシブルに考えるヤングの意識を実感することができます。


B 男から女へのトレンド
女性誌ノンノから男性誌メンズノンノが生まれたように、かつて、ファッション誌は女性主導型でした。ストリートファッションでは、男性誌「スマート」から女性版「ミニ」、男性誌「オーリー」から女性版「オーリーガール」が生まれるなど、男性主導型の流れがあります。裏原宿には、まず、若い男の子が集まり、その後、裏原宿系の男の子にあこがれる女の子が来るようになりました。このような男性主導型ファッションの流れも興味深いポイントです。そこに109系の「ドレッシングルーム」が乗り込んだことで、また流れがどう変わるかも楽しみな点です。

タウンウオッチングを終えて、「皆さんどうでした?」と聞くと、「面白い」「もっとじっくり見たい」という声が上がりました。私自身も、案内役をつとめたことで、改めて見直した点や新たな発見が多々ありました。タウンウオッチングあなどるべからずの感を強くしたところです。まさに百聞は一見にしかずということでしょう。

 
 
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