○50カラット会議から垣間見える50代市場のツボ

ストアーズレポート 03年10月号
(有)長原マーケティング研究所 代表 長原紀子
 
■どこでも元気な50代

 昨年の丸ビルオープンでも、今年の六本木ヒルズオープンでも賑わいの主役は中高年女性でした。こうした新しい商業施設には、まず中高年女性がグループで押し寄せます。皮肉なことに丸ビルにしても六本木ヒルズにしても、入っている物販店舗はどちらかというと、もう少し若い人向きのものが多いので、わざわざ集まった中高年女性達はウインドウショッピングをして、後はレストランやカフェでおしゃべりを楽しんで帰っていきます。

 よく見ると、皆さん大変お洒落をしていますし、お化粧も手を抜かず、きれいな中高年が増えていることを実感します。
中高年というと40代から60代くらいまで幅広いですが、そのなかでも中心は50代です。いまの50代には団塊の世代が含まれ人口数が元々多い上、ライフステージから見ても、子供も就職し、時間的にも金銭的にも余裕が出てきている人が多い年代です。50代は、個人差はあるにせよ、消費の裏付けとなる金銭的余裕がある年代です。なかでも女性はどこにでもでかける行動力を兼ね備えています。

■ 50代女性は諦めない

 50代のイメージは、いま大きく変わりつつあります。50カラット会議という50代女性を中心にしたネットワークがあります。このネットワークは主宰者:志垣豊子さんの人脈の広さもあって、料理研究家、デザイナー、ファッションコーディネーター、編集者、ジャーナリストなど各界で活躍する女性達から一般の主婦まで、また50代のことを知りたい企業に所属する男性や若手の女性まで幅広い人々が参加しています。「50カラット会議」のキーワードは「キレイは50歳から」。50代からの女性の輝きをダイヤモンドの50カラットに例えたネーミングです。今年で発足4年目、この夏にはNPO法人になったことを記念して、盛大なパーティが行われました。女性中心の会ですが、記念パーティには、50代のサラリーマン男性バンド:ザ・ドランカーズが友情出演して懐かしいサウンドで会を盛り上げました。

 3年間、毎月出してきた50カラット会議レポートの送り先がだんだん増えて2500人になったとのこと。そのメンバーが発足の核になります。筆者も以前からレポートを送っていただいて面白く拝見していた一人で、さっそくメンバーにさせていただきました。NPO法人になつた50カラット会議は、今までのレポート発行のほか、セミナーや交流会、50代発の商品提案などをより活発に進めていこうとしています。この秋からは50代の生活を楽しくするセミナーも始めます。楽しいキットを使った写真整理術、50代からのメイク術、匂いの文化・香りの楽しみ、からだフォーラム「50代の暮らしと更年期」などが予定されています。いずれもメンバーが教え、メンバーが参加するスタイルで、それぞれが得意分野を持つこの会ならでわの運営方法といえます。

 特にメイクアップアーチストの仁くすのきさんが講師の「50代からのメイク術」は大変人気で、当初1回の予定を3回に増やしたとのこと。そういえば、50代の肌質や顔立ちに合い、トレンドを外さないメイクについての情報は確かに少なく、気楽に学べるメイク術講座は待たれていたことがわかります。「もう年なんだから、いいかげんに諦めたら」と思う人には想像しにくいと思いますが、女性はいくつになってもキレイになりたい気持ちに変わりありません。

 50カラットのメンバーが年を重ねたら70カラット会議、80カラット会議になっていくのかそれはわかりませんが、今の50代女性はこうした交流のなかからいつまでも若々しく生きる知恵を見につけ、ますます充実した毎日を送ろうとしています。年とともに引きこもらず、気の合った仲間と交流を広げていく、新しい中高年ライフスタイルがここにありました。
百貨店にとって、掴みにくいといわれる50代女性市場ですが、「いつまでも若々しく美しく生きる」ためのノウハウの提供が商品の提供と同時に求められているのではないでしょうか。

 
 
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